いい人だけでも物語は廻る

月報2ヶ月めです。わーい!

■イシンノセカイ9に申し込みました。
8/27(日)開催のやつですね。かんらぎの掌編を出す予定です。進捗は芳しくないです。困ったな。頑張ろう。

 

■いい人が出てくる物語
パラノマサイトというゲームに興味を持っている。ジャック・オ・蘭たんさんが実況始めたのがきっかけ。

まずこのゲーム、テキストがすごい。ADV形式で文字を追うタイプのゲームなのだけれど、基本的に登場人物の対話で話が進んでいき、会話を通してキャラクターが掘り下げられていくので、偶像劇が好きな人には堪らない。デザインや台詞の言い回し、キャラクター全員に不思議な魅力がある。
オカルトが主題に据えられたシナリオなこともあって、どことなく化物語にも近い印象を受ける。

そして、これはたまたま見かけた制作者の方のインタビュー記事。

ここで出てくる「登場人物はみんな”いい人”」「キャラクター性のためにあえて嫌われるような特徴を持たせる必要はない」というお言葉に私は膝を打った。
色んなところで何度も交わされているような議論で、色んなところで何度も再確認されていることだとは思うが、物語上ではどうしても悪役が必要な場面がある。でもその悪はどこからやってくれば良いのか? 漠然とした悪は魅力的に描くことがとても難しい。

パラノマサイトの物語上では、大量殺人犯の根島(ねじま)というキャラクターがそれに当たり、その事件当時の心境について吐露するシーンがある。実際にそのシーンを見て貰わないと伝え辛いがあえて言及すると。
根島が起こした大量虐殺で生じた結果についての「開き直り」に対して、彼を追っていた刑事の津詰(つつみ)は「最低だ」とくだす。これは刑事そしてプレイヤー(つまり根島以外)にとっては至極真っ当な感想なのだが、しかし根島にとっては最初から同じものを求めていた(温かいものが欲しかった)というだけで、その結果が根島以外にとって最低だったというだけなのだ。
ついでに根島にとっても、事件を通して得られたものは望ましい結果ではなかったりする。こんなの誰も幸せになっていない……。

というように、あるキャラクターが自分の信念に従って動いた結果、他人との齟齬や軋轢によって生まれる悪というのは当たり前のようにあるので、「登場人物がみんないい人」で「悪役がいる」物語というのはある。たくさんある。めちゃくちゃ一般的にある。

キャラクター達を自然に描ききる。その結果生まれるものが物語。自分もそういうものが書けるようになりたいですね。

最後に個人的なお願い。刑事コンビの爽やかな方、襟尾純(えりおじゅん)がとても可愛いのでよろしくお願いします。

2