2021年1月オンリー事後報告

イシンノセカイ5に行ってきました。参加の所感と楽しい新刊の話を書きます。

 

いつもなら、新刊やイベント参加に関するブログはなるべく参加前に書き残すように心掛けているのだが、今回は情勢を鑑みて前日まで様子見していたこともあり、こうして事後報告になった。まず現地参戦はおろか新刊を出せるかどうかも怪しかったし。

昨年の秋から冬にかけて自分の中にある文章と向き合う力が衰えているのを感じていて(これは世の情勢とはあんまり関係ない)、でもまあどうすることも出来なくて危機感も薄く、捻出した時間はだらだらゲーム等をして過ごしていたが、しかしイシン5開催決定にテンション上げていた過去の自分がイベント申込みしてくれていたおかげで、なんとかコピー本発行に漕ぎ付けられた。我ながらファインプレーだったぜ。

赤ブーさんのイベント出るのこれで5回目くらいだけど、あんなに閑散としたビッグサイト初めて見た。現地に立った物語サークルは自分のところを含めて4つで、ついでに全員知っている顔で、このご時世に何かを作っているって本当にありがたいことです……って噛み締めながら新刊全部買った。生まれて初めて絨毯爆撃したわ。

次回のオンリー開催がいつになるかは分からないけど、でもイベントって書き手としても読み手としてもこうして人を救っている側面があるので、次もあれば嬉しいな、と思う。一応、物語シリーズってオールジャンルで参加しようと思えば出来るんですよね?

 

そんな感じでイベントは終わりましたが、頑張って作った新刊の話をもう少しだけさせてください。

モラトリアム(仮)の中を延々とループしながら神原のヒモに甘んじる沼地の本です。
ループもの初めて書いた。前から一回ぐらい書いてみたいなって思っていたのだが、でもこんな形で出すとは思わなかった。ループしている都合上エンディングがないので、ハッピーな「エンドじゃない何か」の本です。

 

折角イベント後にブログを書いてるので、たまにはもっと本文に踏み込んだ話もしようか。あとがきがてら。

 

 

タイトルからも分かる通り、周回プレイの話でした。「ループ」の他には「蓄積」とかがテーマにあったかな。
さっきちょっと触れた「だらだらゲーム等をして過ごしていた」間に、古き良きRPGに触れたり、魔法陣グルグルの三期を観返したりしていて、その辺りの影響が多分に含まれています。原作漫画のレフ島編のこととか考えながら書きました。

そういえば近年流行りのちょっと強くて異世界転生ものって(恐らくドラクエとかが礎になっている)中世ファンタジーの舞台が多い気がする。ああいう作品のエンディングってどんな感じなんですか? そりゃあグルグルとかドラクエとかは悪を倒すというゴールがあるから繰り返してもやること変えなくても良さげだが、悪役側(それこそ令嬢とか)に転生している作品ってみんなネバーエンディングだったりするの?
花物語において沼地は悪じゃないから、上記のような仮定はちょっとずれているとは思うが……でも最後の1 on 1 で賭けているものの重みって、神原と沼地とで明らかに違うよなって。

 

一方で、エンディング後も続いていく(蓄積されていく)何かについてはUNDERTALEのこともちょっと思い出してました。
その薄く積もった何かの結果に、私がヒモをやっている沼地を見た理由は、書いている当時はよく分からなかったのだけれど、多分、一人きりじゃなれない職業だからだったんじゃないかと今になって思います。原作で自称していたフリーターは一人でもなれるけど、ヒモって相手がいないとなれないから。

 

そういえば読んでくださった方から、「阿良々木くんの言っていることがタイトルと逆ですね?」というお言葉頂けて、実はその辺りは大事に書きたかったところだったので嬉しくなりました。
物語世界のヒロイン(というか阿良々木くんを大きい存在として見ている人?)って割と阿良々木くんの言うこと成すことをまあ聞き入れてる(聞き入れなくとも彼の有り方を前提にして否定している)気がしているのですが、沼地は阿良々木くんの言うこと聞くかって言えば、あんまりそんなことないんじゃないかな……というのが今回選んだ解釈です。

あと、沼地のループ理由について私の用意していた答えは「実は1回目の試合の時点でちゃんと成仏していて、解脱するまで輪廻している」だったのですが、これは別に知らなくても問題なさそうなので本文には書きませんでした。本人が巻き戻しだと思っているならそれでも回る世界なのだろうし。

2