備忘録がてら残しておきます。
2019年7月現在の私の趣味全開の作り方なので、後々解釈違い起こすかもしれんな。
過去に作った本の仕様メモも兼ねているので、持ってる方(主に自分)はサンプルにどうぞ。
まえがき
小説・漫画・イラスト本の種別にかかわらず、同人誌を作る流れって大雑把にまとめると、以下の3ステップかと思います。
①表紙を作る
②本文を作る
③入稿
とりあえず、今回は②に焦点を絞ってまとめます。
前提その① Word2016基準です。
Word以外では作ったことないので分かりません。ツイッターランドの噂によると一太郎さんがイケメンらしいね。
前提その② オンデマンド印刷基準です。
オンデマンド印刷はテカる、って話も(数年前は?)ありましたが、小説本だとそこまで気にならないと思われる。
小数部安価で作るならオンデマンド一択ですが、たくさん刷るならオフセットの方が単価は下がるらしい。
もくじ
1. 小説を書く
本記事では割愛。自分を信じて頑張ろう。
段落は一字下げしろとか、本文中の三点リーダ(…)やダッシュ(―)は偶数個で使えとか、そういう細かなルールはまあ色々あるけど……ものすごく暇な時に別の記事でまとめます。
2. 仕様を決める
2-1. 本のサイズ
本文の目途が付いたら、とりあえず、本のサイズと段組を決めます。
小説本の場合、私の中では以下の3つが選択肢に上がります。
・A5 / 2段組
小説本でも割とよく見かける。
表紙イラストを大きく見せたい時(例えば合同誌とかアンソロジーとか)はこのサイズで出してます。
・B6 / 2段組
あまり見かけない。可愛いのに。
青年向けコミックスとか、講談社BOXとかはこのサイズです。
1段組で作っても案外いける。
・A6 / 1段組
いわゆる文庫サイズ。よく見かける。カバーが付いてることも多い。
勿論、B5、A4でも作れます。が、小説本ではおすすめしません。レイアウトを工夫しないと読んでて目が疲れるから。雑誌っぽさを狙うならありかな……?
2-2. 用紙を決める
あとは紙。本文用紙と表紙用紙を決めます。
表紙用紙は表紙担当と相談して決めます。こういう発色の良し悪しの見極めとかは絵描きさんのが上手いと思うので、絵描きさんに訊きましょう。
小説本はとりあえず、文字が読めれば言うことなし。合格! ……というのは分かっているけれど、こだわった方が愛着沸くので毎回考えてます。
本文用紙を決めるコツは色と厚さです。
大体の印刷所さんでは白系とクリーム系の2種類を取り扱っていると思うので、作る本のイメージに合わせて色を選ぶ。クリーム系の方が小説本っぽさは増す……ってのが一説にあるようですが、好みで良いんじゃないでしょうか。
連量(紙の重さの指標的なやつ)は90Kより70k寄りの方がやわらかく、本に厚みが出た時もめくりやすいので好きです。ただ、私のように短編を多く書く人は90Kで厚さを出した方が見栄えが良い・薄い本でも紙が波打ちにくい……という見方もあるかも。
この辺りは無難で使いやすくおすすめ。
・RTクリームラフ
OneBooksさんで使える。淡クリームキンマリより若干あったかい色。
使った本:『結んで開いて』
・淡クリームキンマリ70K
クリーム系上質紙の定番。
使った本:『うちのナースはおさわり禁止』、『6月のサラダボウル』
・白上質紙70k
一般的なコピー用紙はこれ。基本料金内で使えるところが多い。
使った本:『Rainy』
なんか変なことしたいなーって気分の時には、コミック用紙を使うのも良きかな。
・コミック用紙ラフ
Print-ONさんで使える。週刊誌みたいにザラザラしたやつ。
使った本:『xxx』
2-3. オプションを決める
なくてもいいやつ。
・遊び紙
これは個人的なこだわりなのですが、毎回その本のテーマに沿った遊び紙を入れるようにしています。ナースパブ本の遊び紙はタントセレクトTS-7(レース)の白で包帯モチーフっぽくした……とか。
・表紙PP加工
標準で付いている印刷所もあります。大体取り扱っているのはクリアPPとマットPPの2種類。つるつるしてるのがクリアPP、しっとりしてるのがマットPPです。
具体的には、『神原駿河は静かに暮らしたい』はクリアPP、『きみの不幸は蜜の味』はマットPPです。持っている方は触ってみよう!(宣伝)
ホログラムPPなんてのもあります。私はベルベッドPPが好きだ。
あとは
・箔押し(テンション上がるやつ)
使った本:『泡沫に泳ぐ魚』、『SCHADENFREUDE』
・本文インク色変え(テンション上がるやつ。オンデマンドでは出来る印刷所が少ない)
使った本:『xxx』
とかですかねー? この辺りはこだわろうとすればどこまでもこだわれますので、予算とにらめっこしながら考えます。
3. 印刷所を決める
ではでは、仕様が実現出来る印刷所を探します。
私がお願いしたことがあるのは以下の通り。全てオンデマンド印刷メインです。敬称略。
OneBooks
一冊から作れるのがすごい。あと、本文用紙の選択幅が広い(これが案外すごい)。
予約制で、かつイベント前は早めに予約満了になっちゃう辺りは、選択難易度がやや高いかも。
使った本:『神原駿河は静かに暮らしたい』、『三人寄ればなんとやら』、『結んで開いて』
STARBOOKS
箔押しの種類がすごい。あと、表紙用紙と遊び紙の種類もすごい。
毎割というサービスがありまして、入稿の日付にある程度融通が利くのがとてもありがたい……。こちらも予約制なのでご注意。
使った本:『泡沫に泳ぐ魚』、『うちのナースはおさわり禁止』、『SCHADENFREUDE』、『6月のサラダボウル』
Print-ON
オプションやセット商品のラインナップがすごい。前項で触れた本文インク色変えが出来るのはここ。紙もめっちゃある。
過去に手紙本セットで作りましたが、超可愛くしてもらえました。
使った本:『Retell Veto』、『xxx』
POPLS
(私は使ったことないけど)特急が早いっぽい? 通常も予約が比較的取りやすい気がするので、新刊はもう終わったけど突発で一冊作りたい! って時にお世話になりました。すごい。
ただし、淡クリームキンマリ70Kはオプション料金。
使った本:『Rainy』、『スローモーション』
4. ページ設定をする
Wordの出番です。
1. で書いた小説を流し込み、各種設定を行います。
4-1. フォントの設定
本文用のフォントの設定です。必ず、商用利用可能なフォントを選びます。
プロポーショナルフォント(IPA P明朝のような、後ろにPが付いているやつ)はレイアウトが崩れやすいため避けましょう。
読書の邪魔をしない、かつ美しいフォントを探す。私はこの辺りをよく使ってます。
IPA明朝
使った本:『泡沫に泳ぐ魚』、『うちのナースはおさわり禁止』
源暎こぶり明朝
使った本:『SCHADENFREUDE』、『スローモーション』
サイズ設定とか。
[ホーム]タブ→[フォント]
4-2. 用紙サイズ
塗り足し(上下左右に+3mm)を含めたサイズを設定するのが基本……なのですが、小説本の場合、印刷所によっては塗り足しがなくてもOKな場合もあります。印刷所さんのページに条件まで書いてある筈なので確認しましょう。
塗り足し有り | 塗り足し無し | |||
幅 | 高さ | 幅 | 高さ | |
A5 | 154 mm | 216 mm | 148 mm | 210 mm |
B6 | 134 mm | 188 mm | 128 mm | 182 mm |
A6 | 111 mm | 154 mm | 105 mm | 148 mm |
今回はB6サイズ、塗り足し有りで設定。
[レイアウト]タブ→[ページ設定]→[用紙]タブ
4-3. 余白
どのサイズでも共通。
とじしろは9mmで。
塗り足し有り | 塗り足し無し | ||||||
上 | 下 | 左 | 右 | 上 | 下 | 左 | 右 |
20 mm | 17 mm | 19 mm | 19 mm | 17 mm | 14 mm | 16 mm | 16 mm |
[レイアウト]タブ→[ページ設定]→[余白]タブ
4-4. 文字数と行数
この辺りは読みやすいレイアウトが人によって違うと思うので、かなりの悩みどころ。とりあえず過去に作っているのは以下。
段数 | 文字数 | 行数 | |
A5 | 2 | 27 | 21 |
B6 | 2 | 25 | 20 |
A6 | 1 | 39 | 15 |
[レイアウト]タブ→[ページ設定]→[文字数と行数]タブ
ついでにその他タブも設定しておこう。ヘッダーやフッターについては後々触れます。
[レイアウト]タブ→[ページ設定]→[その他]タブ
ここまで設定すると、こんな感じになっている筈。これはナースパブパロ本の次の巻(予定)。
力尽きたのでとりあえずはここまで。
残りは後編でまとめます。